頭痛Ⅱ
肩のズレからくる頭痛
前回の「頭痛」では肘のねじれについて書きましたが
今回は肩のズレについてです。
まず「肩」といってもどういう
構造になっているのかということが大切です。
肘から上の骨を上腕骨といいますが、
これの一番上の端(上腕骨頭)が肩甲骨という骨の
外側にはまりこむような形になっています。
これだけでははずれてしまいますので
筋肉や靱帯などで補強しています。
ところがこのはまりこみが浅いのでずれやすいのです。
「肩が抜けた」というのを聞いた事があると思います。
これも肩のはまりが浅いことに起因します。
そんなずれやすい肩ですので肩甲骨に対して前後・上下などにズレ
たりします。
そうすると手を上に挙げた時に頭まで上がらずに途中で止まったり
痛みがでたりします。
そうなると肘の所でもお話したように
首などに影響が出て頭痛につながるようです。
ここで実際の治療を行った方を紹介すると
30歳の女性の方ですが、
朝保育所に子供を送っていくときは大丈夫だったのに
そのあと仕事をやり出した頃から
頭痛がしてきて目の奥まで痛くなって来たと言うことでした。
特に頭の前の方、はちまきを巻くあたりが一日中痛かった
らしいです。
それで診てみると右の肩が90°ほどしか挙がらない。
いつもはもっと挙がるそうです。
左は頭まで挙がります。
よくよく話を聞いてみると、朝保育所に行くときに子供2人と
布団や荷物を一度にさげて行ったそうなのです。
どうもその時に右の肩がずれたようです。
元々右の肩は痛くなりやすかったと言ってました。
ズレの方向をみると前方にずれており、それだけではなく
肘も内にねじれており、鎖骨も前方にずれていました。
これでは肩が挙がるわけはないでしょう。
そこをゆっくりと修正して
あと首の骨が左に飛び出していたのと、脊柱もゆがんでいたので
併せて行いました。
時間にして30〜40分で9割方痛みは
無くなりました。
残りの時間で
骨盤を修正して終了となりました。
終わったあとはここが家の布団やったらこのまま
寝るのにとおしゃってました。
この様に頭痛と言っても
原因は様々で
肘や肩から来る場合もあればそうでない
場合もあります。
その人その人ごとに診ていく必要が
あります。